スキーバス事故で見える中小企業の悲哀
スキーバス事故で多数の人が亡くなりました
遺族の方には気の毒としか言い様がありません
私はセミリタイア以前、零細企業に勤めてました
運送業者とも取引があったので分かるのですが、
今回のようなバス会社とか運送業者は、実は9割以上が零細です
大手の看板を掲げていても、中身は出入りしている中小零細業者なんです
今回のバス業者も、多分中小零細企業の一つでしょう
ニュースでも言われてましたが、
この業者は健康診断も行わず行政処分まで課されてたようで、
トンデモナイ会社であることは変わりませんが、
ルートを勝手に変更して下道を走ってるというのは
もしかしたら、運転手に下道インセンティブがあったのかもしれません
取引業者の人と話してた時にも、下道を走って高速道路代を浮かせたりすると、
浮かせた高速代の3割から4割の手当があると言っていました
大型バスとか大型トラックの高速道路料金はかなり高いので、
こういうシステムを採っている会社も多いようです
そもそも、運送料金も問題です
現在の運送料金は安く、いくら仕事を取ってきても、
片道では採算が取れないことが多く、往復便が前提の運賃が横行してます
せっかく仕事を取ってきても、全く違う方向への運送で片道だったり、
保有台数自体が少ない零細企業は受け切れないこともあります
自分の所で間に合わない場合は傭車をつかうことになりますが、
その場合、収益は少なくなります
例えば5万で運送を受けたとします
自社で出来ない場合、他の知り合いの業者とかに頼んで車を手配してもらうのですが、
受けた5万をそのまま渡すわけではありません
余程低い金額でないかぎり、手数料が抜かれます
5万→4.5万という感じです
中には知り合いの業者からまた別の知り合いの業者へと流されることもあります
その時にも当然手数料が引かれてたりします
そして最終的には5万の運送料が3万円で全く知らない業者に流れてたなんてことも起こります
そして、当然逆のケースもあります
まあ、荷物が運べれば良いので頼んだ業者はそんなこと気にしたりしませんが・・・
こういうような業界なので、ギリギリでの経営を強いられる事が多く、
必要なことさえ守ることが出来ない業者が出てくることになります
もちろん、零細が一度大きな事故が起こせば一発で倒産になります
それでも規制緩和で業者自体は増加してるので、
一業者が飛んだ所で元請けは痛くも痒くもありません
いつも泣くのは弱いものばかりなのです
確かに大きな事故を起こしたことは許されないのですが、
零細企業にいた自分は、こういう経営をせざるを得ない会社も気の毒に感じてしまいました
残念ながら、これからもこういう事故は起こるでしょう